【若手プログラマーへ告ぐ】AIプログラマーはユーザ企業を狙え!



IT業界に25年以上生息している元システムエンジニアです。大手SIer、ベンチャー、地場SIerなど4社ほど渡り歩いいております。

現在はセールスサイドに軸足を置きお客様のビジネスイシュー(経営課題)の発見からITによるソリューション(解決策)の提案を生業としています。

ちょっと前に「【若手プログラマーへ告ぐ】これからの転職はAI系一択です!」という記事を書きましたが、これAIと言ってもIT系企業に行く必要はないです。

もっというとIT系じゃない方がいいんじゃないかとすら思っています。

ユーザ企業に行くべし!

究極的にはどこに行ってもミスマッチは起こりうるんですが、あえて言い切るとするとユーザ企業に行くべきです。

なぜか?をこれから説明します。

・IT系でAIにガチで取り組んでるところってそんなに多くないです。 


今時IT企業が「AIにはまだ取り組んでません」なんて口が裂けても言えないので、どこだって重要視してるって言います。

特に大手、準大手のSierと言われるところならITと言われるモノ全方位的にソリューション展開していないとすぐ干されるので、

ソリューションラインナップには2、3それっぽいモノは書いてあったりするんですが、その実、

1つの部署の2、3人がデモプログラム作っただけとか、

いかにも自社の導入実績のような書き方をして全部外注に丸投げだったりします。

特に後者の場合、「優秀なパートナーと多数連携して…」とか言い出したらその会社に実態はないと思った方がいいです。

次にベンチャー系の企業の場合は、そもそもAI系の会社ならいいですがWEB系をやってたけどAIって言わないと食っていけないんで仕方なしに言ってるだけのところもあります。

「今後はうちもAI系に力を入れて…」とか「今まさにAI系に投資して…」みたいなこと言い出したらヤバいです。

十中八九、AI系の仕事なんて1割以下でしょう。

WEB系の仕事の合間に勉強会と称してAIのプログラミングちょっとやってみる程度じゃないかと思います。

というわけで、「今日からAI」みたいなところは危険です。

AI以外の仕事が山積みでしょう。既存のビジネスモデルで稼いでいる企業にとってAIなんてない方が安定的に稼げるんですから。

 ・ホントに困っているのはユーザ企業です。

 IT企業がそんな感じなので、困るのはユーザ企業です。

日本のIT業界はこれまで世界でも稀に見る多重請負構造でユーザ企業内にIT人材が育っていない現実があります。

10年前なら中小の下請け会社の人間を奴隷扱いしてどうにかできましたが、

今やある程度の会社だと中小のIT企業やフリーランサーと直接取引ができないような状態になっていたりもするので、

わけのわからん大手、準大手のSIer相手にPOC(概念実証)でAI試したいと相談するしかないんですが、

なにぶん大手、準大手のSIerも社内プロセスが色々ありますし、中間マージンとって実働分は予算の半分以下みたいなことが頻発していてマジで難儀しているわけです。

そこでここ数年で出てきたのが「内製化」というキーワードです。

2025年の崖みたいな話もあり、これまで外部に求めていた優秀な人材がお金をいくら積んでも「いない」状態が見えてきたこと、

ならいっそのことスピード重視で自分たちで作ってしまえ(Dev Ops)的考え方の普及により、

先端技術の活用法検討とか本当に今すぐに欲しい機能を内製化できる仕組み作りに動いている企業は結構あります。

特にRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)で上手く行った企業はその傾向が強いように見えます。

RPAってエンジニアがプログラミングするモノじゃなくてエンドユーザがGUIでチャチャっと作って使ったり、

エクセルの関数、マクロ感覚でユーザ部門の少々手の動く人が作って自部書に普及させてたりと、

四半世紀前のEUC(エンド・ユーザ・コンピューティング)みたいなやり方でやったところが成果を出したりしています。

企業によっては部署に数人「ユーザ部門の少々手の動く人」のスキルレベルまで引き上げる施策を実施しているところもあるようです。


というわけで

プログラムスキル=IT系と短絡的に考えずユーザ企業側の人材難に着目した作戦もありかと思っています。

今後はますます業界の垣根がなくなってきます。

どんな企業もITをフル活用しないと減っていく生産年齢人口分の労働力をカバーできなくなってくるのは目に見えているので、

ITやAIを上手く活用できたユーザ企業が生き残り、言われたものを作ってるだけのIT屋さんは淘汰されていくのではないかと思う次第です。

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